過去のインタビュー記事
 
 
 
 
 

黄 :  本日はお時間を頂きありがとうございます。
今年は東京都と北京市の友好都市提携35周年にあたり、会長が想うところはなんでしょうか。

宇 :  私は東京都日中友好協会の会長に2011年に就任したわけですが、東京と北京の友好都市35周年 ということで、いろいろと過去35年間の日中友好に貢献された先輩たちの努力されてきたことを 振り返って、これから我々が後を継ぐ世代としてどうやって友好交流を発展させるか、 非常に大事な年だと思っています。
言い方が正しいか分かりませんが、非常にラッキーなことに、2月に舛添新都知事に変わられて、 我々が期待していた以上に舛添知事が素晴らしい方で、国と国の関係が非常に厳しい中、真っ先に 北京に行き市長訪問されて、都市間の交流を活発化され、特に北京と東京という中国と日本の首都 のトップが交流の重要さを公に公表して下さったことが、民間交流を行っている我々にとっては とてもありがたい、大きな変化であり、我々はこれをいかしていきたいと思っています。

黄 :  会長のおじい様も日本と中国の友好の関わっていらした方ですが、 会長も幼いころからおじい様の影響があったのではないですか?

宇 :  私の祖父はご存知方もいらっしゃるでしょうが、自民党議員宇都宮徳馬という政治家で、 元々はミノファーゲン製薬という会社の経営者で、日中国交回復前から、総理の元で 日中国交回復に尽力したと聞いていますし、勿論それは私が生まれる前のことではありますが、 先輩たちから聞いたこともありますし、普通の方に比べると日中友好について、非常に 隣接していて、その上経済的にも、文化的にも交流が盛んで、且つこれから互いに大国同士に なっていくだろう、という時にそういった国同士が仲良くしないことはあり得ないし、 日中友好は日本にとっての安全保障であるというのも政治家であった時代には公に言っていた というのも聞いています。そういった家系であるというのは、運命づけられているとも感じでいます。 自分の努力だけではできないことですし、東京都日中友好協会の皆さま、先輩方も含めて、 西園寺先生にこの活動に引き入れて頂いたことが、1989年に祖父と父と北京を訪問した際に 西園寺先生に同行して頂いた事もあり、日中友好の活動がここから始まったのかなあと思います。

黄 :  東京都日中友好協会の会長に加えて、本部の副会長でもいらっしゃるわけですが、 活動を進められる中で、大変だったこと、感動や感心したことはありますか。

宇 :  東京都日中友好協会会長に加え、以前は理事として兼務していました公益法人日中友好協会の 副会長を6月より兼務することになり、責任を感じています。
東京都日中友好協会だけでも大きいのですが、公益法人日中友好協会は全国の友好活動であり、 大先輩方が沢山いらっしゃる中で、最年少のふき会長として、祖父も3代目会長として活動していた訳で、 私にできることは何なのか、と考えますと、副会長になったからという訳ではありませんが、 原点は世々代々の交流を推進していくこと、特に青少年の交流を行い、次世代に繋いでいくことが 大切だと思っています。但し知らなくてはならない事、先輩方から聞くこと、祖父が会長をしていた頃の 事務局の方々が日中友好協会の役員にいらっしゃり、お話しを伺っています。
加藤会長はいらっしゃらなかったのですが、酒井副会長を団長として新体制のご挨拶の為に北京に 挨拶回りに行きました。4日間ご一緒させて頂きましたが、常務理事の西堀さん、岡崎さんなど皆様の いろいろな話を聞きました。西堀さんは私の祖父が友好協会の会長をしている時に長野から単身赴任で 6年間本部にいたという話も聞きました。又、祖父が営んでいた桜 会(桜を観る会)でも西堀さんが 司会をして頂いていたこともわかり、私も彼の声を聴いた記憶があるような気が致します。
祖父が何を考えやっていたのか、これまであまり聞かなかったし、あの時はこうだったという話を聞いて 大変感銘を受けましたし、改めて祖父も含めて廖承志会長が当時発起人として発足した活動が、 今回14回目ということで、続いているということが、いかに大変であるか、凄いということであ るということを我々がもう少し噛み砕いて、形にこだわり行うのではなく、先輩方が何故やって こられたのか等を、我々は若い世代に伝えて行かなくては、この活動に参加するモチベーションが 沸かない上、皆さんにきちんと伝えていくことが大切なのではないかと思っています。国交正常化後40数年、 友好平和条約締結後35年が経つ現在、過去に経緯や、両国の先輩方の努力を知り、分かり易く伝えいく、 様々な方法があると代に引き継いで行くような活動も大事であると思っています。
やらなくてはいけないからやるのではなく、こういった経緯があり大事なんだ、自分達の将来にとっても 大切だと歴史を踏まえて。若い人たちも含めて、歴史認識と言いますか断片的しか知らないことが多いので、 断片的な見方での判断はろくな事がないことが多く、結果だけではなく、どうしてそのように至ったのか ということも理解しながら、我々は草の根の活動で皆さんの共感や理解を得て、その結果嬉しかったり、 感動することがあればいいと思います。

黄 :  素直な感情を大切に、嬉しい事、嫌な事は何故なのか、歴史を振り返り学ぶことが大事ですよね。

宇 :  言われてやるのではなく、自分達で理解していかないといけないと思います。現在は厳しい時だからこそ やり甲斐を感じていると言えるのかもしれません。

黄 :  逆境がチャンスになることもありますし、見直す機会にもなるかと思います。

宇 :  頼りない会長で、知らない事が沢山あり、皆さんにご迷惑をかけているかもしれません。

黄 :  しかしそれがむしろ皆「一緒」という感覚で良いのではないでしょうか。 私は華僑という立場で思うのは、やはり若い世代に伝承していき、若返りを図るということがとても 重要だと思っています。世代に合った交流の仕方、昔は昔で歴史を紐解き、教えを知るということは重要ですが、 これからはやはりどこの団体も若い世代が主体となるべきだと思います。

宇 :  東京都日中友好協会もこの1年、若い方にフォーカスした活動を少しずつ始めていて、 先日も中国で最も知られている日本人と言われる加藤嘉一さんの講演をし、大学生300人くらいが集まりました。 都日中が主催する講演会でこのような若い方々集まるのは初めてだと驚かれたのですが、、、、。
どのように中国と付き合っていったらよいのか、中国や中国語を学ぶ為には何が必要なのか等身近なテーマも含めて、 加藤さんが分かり易くお話しになり、皆さんからの質問に答えていらっしゃり、とても良い場作りができたのではないか と思っています。加藤さんにはこのような講演会に参加頂き感謝しています。 中国とは経済的にもかかわりが深いですし、人の交流もアメリカより多いかもしれないですし、中国と関わっている人は 日本でも沢山いますよね。
中国に駐在されている方が日本に帰国されても、日中友好協会としてはそのような方は会社など別のネットワークなので、 うまくフォローできていないのですが、LineやFacebookで繋がっていらして、若い人がmeetingをしたり、イベントを 開催していらっしゃるということを最近知り、200人単位で集まっていたりしていることを知りました。 制約や枠にとらわれず中国について話したい、自分の経験を活かしたいから、そういう人の集まる場所を作ってあげて いるようです。そのような方々がもう少し活動し易い様に私達もお手伝いしたり、或いは一緒に何か活動したいと思います。 それらにより、日中友好協会は中国とのコネクションも多いし、何かあったら助けてもらえるのではないかと 思ってもらえれば、交流活動の幅が広がるのではないかと期待をしています。又、華僑の方々とも最近ようやく 交流を持つことができるようになり、9月にゴルフコンペを開催したりできるようになりました。 その際もスピーディーに対応頂、良い関係性が築けるのではないかと実感しています。
舛添知事も仰っているように東京オリンピック開催を受けて、特に東京は都の職員だけではなく、 又スポーツの団体のみならず、いろいろな団体の連携が非常に重要であり、知事からもサポートを依頼されていますので、 是非前向きに連携できればと思っています。加えて、それにより活動枠が広がり、皆が感動したり、 嬉しく思えるようなイベント開催などの活動ができるのではないかと考えます。

黄 :  既に日中友好の活動についてお聞きしましたが、今後の活動の展開をお聞かせください。 都日中の会長、本部の副会長になられた現在、若返りなど既にお話し頂いた事以外に、 具体的に考えていることがあれば教えてください。

宇 :  やりたい事は沢山ありますが、先ずは我々の世代、或いはそれより若い世代がしっかり友好交流活動を続けていく様に 土台作りをしなくてはいけないと考えていますが、今、若干土台ができつつあるところと、逆に土台がなくなりつつある ところがあります。課題として挙げるならば、世間から見られている友好協会はあまりにも現実と乖離している日中友好協会なので、 国からの経済的支援もあり、資金も潤沢なのではないかと思われていることも多く、実際にはボランティアで会員の皆様の会費から 運営資金を捻出しているのが現実です。会員の減少もありますし、日中友好協会本部、東京都日中友好協会共に上部組織との世代に 引き継いで行けるような「団結と拡大」の活動を是非積極的に取り組みたいと思っています。規模の小さいものの方がやり易いので、 大きなホールを借りて何かをするということになりがちですが、そうではなく、小さな活動を細かく実施し、皆さんがやりたい事を 繋いでいくような取組みを通して、ステップアップしていくことができればいいかと思っています。

黄 :  周りを見渡しても中国と商売や事業をしている方は結構います。その中で中国側と衝突していることも多々あると 思いますが、そんな時に友好協会さんが手助けできればいいなあと思いますがいかがですか。

宇 :  そうですね。

黄 :  民間の活動をそういった所から始めて、草の根活動ができればいいなあと思います。 私達華僑も常々日中友好協会7団体と協力してやって行くと、華僑総会理事会でも確認したところです。

宇 :  一点言い忘れたのですが、企業活動は切っても切り離せない程中国と日本は密接すぎるほど密接で、 関わっている企業集団の数は大きいのですが、残念なことに東京都日中友好協会での法人会員16社程に とどまっています。本来であれば、30年前に比べてどれくらい多くの企業が中国と取引しているのか、 現地で生産、製造拠点を持っているのか、そういった企業が日中友好協会の法人会員であるメリットを 感じていないというのが、事実として認めなくてはいけないと思います。
私も祖父から継いだ会社の社長をしていますが、中国での事業は柱の1つになっています。 会社の社長としての立場や社員としての立場から、日中友好協会が何かの助けになればいいなあと思っています。

黄 :  私の周りでも10人中7〜8人の人が中国と関わりを持っていて、私が華僑であり、こういった活動をしているので、 いろいろな相談を持ちかけられますが、私個人の力ではどうにもならないので、華僑総会や日中友好協会さん等、 国との繋がりを持っている団体が助けてくれたらな、と思います。これが口コミとなり、日中友好協会の会員だった為、 問題が発生したけど、助けてもらったという話になれば、法人会員も自然に増えていくのではないでしょうか。

宇 :  そうですね。

黄 :  今回のお話を伺って、実業家であり日中友好協会の副会長、東京都日中友好協会の会長を兼務されている 宇都宮さんだからこそできることだと思いましたので、是非中国と関連している経営者とのざっくばらんな 座談会を開いて頂いて、困っている事を聞いて頂くFということから始めるのが良いのかと思いました。

宇 :  小さいグループで始めるのが良さそうですね、是非やりたいと思います。
我々の企業も日中友好企業だからと言って順風満帆にいっている訳ではないですが、 目に見えない安心感や、何かあった時に助けてもらえる、目に見えないサポートがあ るということがあります。苦労している会社の経営者の方々も多くいらっしゃると思 うので、これまでにない法人会員ならではのサポートが受けられたり、ネットワーク 作りなどを積極的にやって行きたいですね。

黄 :  困ったこと等話したり、聞いたりしてもらうと、「それなら、うちで何とかできるかも しれない」と横の繋がりが役に立つ、というような小さな事でも良いのではないでし ょうか。

宇 :  法人会員の問題は、何かやればできるのではないかと思うことが沢山ありますね。

黄 :  皆仕事をしていますし、日中友好の為にかける時間も限りがあり、現実的にもどっぷりと 活動するのは難しいと思いますが、東京都都知事も舛添さんに代わり、華僑総会理事会でも 2020年東京オリンピックに於いて、華僑が手助けすることはないか、ということで、 言葉の面(通訳など)でボランティアを買って出ようではないかと、という話になっています。
今は日中関係が一番厳しい時ですが、少しずつ兆しが見えてきているのではないでしょうか。 その時に若い世代に活躍してもらいたいですね。そんな意味でも宇都宮さんには期待が大きいのではないでしょうか。 是非今後の日中友好、大げさなものではなく日中交流に尽力頂ければと願います。

宇 :  「日中友好」という言葉は大事なんですが、他の国との友好交流と比較することになり、 より柔軟にできるのではないかと思います。頭を柔軟にしていく必要があると思います。 私はアメリカテキサスに7年、その前に英国スコットランドに留学しておりました。そこから見る日本、 日本の中にいると分からない事があるということを経験しました。日米安保があるから、 アメリカが日本に全面的に友好的であることもないですし、日本人も誰もそう思っていないと思いますが、 自然と交流はありますし、その中で課題はありますが、日本と中国においても両国の交流が深まり、 現在課題が出ていると考えれば良いのではないかと私は考えています。アメリカと日本も何十年か前は衝突があって、 今があると思うし、日本と中国も次のステップに行く為の課題を認識する為のタイミングに来ていると思えば いいと思っています。こういう形で外堀を埋め、国のトップが動くという様になればいいと思います。 日中の若い人達同士の交流、若い人たちをバックアップしていきたいと思っています。

黄 :  下からの力で動かしたいですね。

宇 :  祖父の意思を継いで、やって行きたいと思っています。

黄 :  今後の日中友好の為に尽力頂ければと願っております。本日はどうもありがとうございました。

| 会社概要 | ガイドライン | プライバシーポリシー | 免責事項 |
Copyright (C) 2007 Voice of China All Rights Reserved.